子どもにとって「あそび」は生活のすべて。あそびのなかで動きをくり返すことで、一つひとつ動作を体得し、"こころ・頭・からだ"のすこやかな成長を育んでいきます。
なかでも、手・指の動きは脳やからだの発達と密接な関係をもちます。ペンをもつ、洋服に手を通す、フタをあけるなど、将来の基本動作にもつながる体験をあそび道具が応援します。
子どもの手の動きや運動の発達は、毎日のあそびで育まれます。また、手の動きが多い子どもほど創造性が発達するという研究結果も報告されています。成長とともにステップアップする手の発達をヒントに、ぴったりのあそびを見つけよう!
胎内で動き回り指しゃぶりもできた赤ちゃんも、外の世界では重力を感じながら一から手足の動きを身につけます。自由にからだが動かせるようになる3歳頃までの発達を道具が応援します。
「第2の脳」とよばれ神経が集中している手。脳の発達には、手や指の発達が大きく影響しているとされています。手・指を使ったあそびは、頭と手のつながりを促し脳を活性化します。
成長途中の子どもは目・耳・指先などの感覚が完全に統合していません。目で見たとおりに動かすという一連の動きは、視覚と指の動きを統合させ、手先を器用に使える巧緻性を高めます。
手のひらで握るから、つかむ・のばす・ひねる・つまむ・通すと、手や指の動きも順番に発達。距離感・物のしくみ、将来の生活に必要な基本動作を学んでいきます。
お座りでき視界も広がり好奇心が旺盛になる6ヶ月頃から、あそびも活発になります。触ったり動かしたり、子どもが興味をもち手を伸ばすあそび道具をまわりにそろえ親子で楽しみましょう。
視覚を刺激する配色・振ると鳴る音が、握る・引っ張る・口に入れるの探究行動につながります。
片手で持つとお日さまの顔がくるくるまわり、自然と両手を動かし何度もくり返して遊びます。
つかむ・落とす・投げる・追いかける。弾力や手触りの好奇心から多様な手遊び・体遊びへ。
寝んねや寝返りを過ぎお座りしてものがつかめるようになると、それを自分で動かすことが楽しくなり、触れたり握ったりと周りの世界に働きかけ動きの幅も広がります。探究心が広がる時期に、自由に動かしやすいもの、持ちやすいもので、「できた!」をたくさん体感させてあげましょう。
ボタンやレバーを押す、音を鳴らすと動きをくり返し、目と手の協応動作や原因と結果を学びます。
並べる・くずす。じょじょに積む、かたち遊びからモチーフまでつくれるようになります。
形・色別に物を出し入れする手遊びによって、形・色の認識ができるようになります。
そろそろ自分でつくりたい!やりたい!という気持ちも強くなってくるころ。同時に、思うようにいかないことが増えるのもこの時期です。積みすいもの、組み立てやすいものがあると自信につながります。
子どもに親しみやすい動物モチーフ。指先を使う練習とかたちの発見・語彙を増やします。
たたく動きが音に変わる面白さが音への好奇心に。楽器で音感も育ち演奏する楽しさにつながります。
丸や三角や四角のピースを指先でつまみ同じ形にはめる。見方で長さ・高さの違いも発見します。
子どもはあそびの中に新たな発見をすると、同じ道具を使ってちがったあそびを考案し、さまざまなことを学びます。「ひねる・通す」といった手あそびから、色・数・形といった、さまざまな新しい概念を学んでいきます。
「握る」より「はなす」がむずかしい動き。ボールをぽっとんと落とし目で追うあそびに挑戦しよう。
小さな手でも握りやすく磁石で瞬時にくっつく。できた!をくり返し色・形の発見や造形・想像へ。
達成感を味わいながら自然と両手で指先を器用に動かす力を育みます。つまむことが楽しくなります。
外したりつなげたり、ぎゅっと握って回すことで自然に手首がひねる「ねじねじ遊び」が楽しめます。
1〜2歳頃は、あそびを通したやりとりのくり返しが楽しい頃。触ったり、投げたり、壊したりと好奇心の赴くままに遊びます。何かを作るより指先を動かすことに興味を持ち、できた!という達成感から「また遊びたい」という意欲がさらなる好奇心につながります。
固い→柔らかいの感触の変化が好奇心を刺激。こねる・丸める・伸ばすと手の動きを活発にします。
小さな手につまみやすい直径1cm程のカラフルなペグに指先を集中しお絵かきのようにモザイク遊び。
言葉や算数と同じように、道具を使ったり洋服を着るなどの生活技術は、生きていくうえで欠かすことのできない大切なこと。あそびを通して楽しく手や指を動かすことで自然に動きを身につけられます。