あそび道具のおはなし

01

美しい音の心地良さを、正しい音の楽しさを届けたい
〈おさかなシロフォン〉

赤ちゃんは、五感をフルに使って世界を知ろうとします。食べる、触れる、匂う、聞く、見るという体験を通じて、さまざまなことを知っていくのです。なかでも聴覚は、子どもの成長において、最も早く発達すると言われています。まだ読んだり話したりできない赤ちゃんは、耳を通じてさまざまな情報をたくわえます。そんな時期ならではのあそびが、音遊びです。
子どもが初めて出合う音遊びの道具には、どんなものがふさわしいだろうと考えた時、わたしたちが求めたのは、やわらかな音色と美しい余韻を持った本格的な楽器であることでした。小さな子どもでも、簡単に音階を奏でることができ、そしてその音がまっさらな子どもの耳に心地よい楽器......そこで注目したのは、木琴でした。

木琴は、「棒でたたく」というシンプルなアクションの反応として、音が生まれる喜びを体験できる楽器です。その音がなんども聴きたくなる美しい響きを持っていれば、またたたきたくなります。うれしくなって連続してたたいていくうちに、「たたく場所によって音の高さが違う!」ということにも気がつくでしょう。正確な音階を持っていれば、複数の音が重なって生まれる和音の美しさや、他の楽器と一緒に演奏する楽しさも発見することができます。そんなふうにワクワク心おどる音遊びを子どもたちに体験してほしい。そんな思いで開発したのが、〈おさかなシロフォン〉です。

〈おさかなシロフォン〉は、群馬県の楽器専門の工房でひとつひとつ丁寧につくっています。やわらかな音色を実現するために選び抜いた木材は、経年で音の狂いが生じないようじっくりと乾燥させています。その木材から作った音盤は1本1本確認し、音質を損なう傷や節などを取り除いています。そして、仕上げには、音の周波数を図りながら木材を削って、1音1音正確に調律しています。

本格的な楽器であると同時にあそびの道具である〈おさかなシロフォン〉は、子どもたちが「触れてみたい!」「たたいてみたい!」と思うようなデザインであることも大切でした。鍵盤を骨に見立てた魚の形は、楽器としてはそれまでにないデザインでしたが、まん丸な目をつけると、子どもたちのあそびの相棒にぴったりな姿になりました。そして子どもが楽しく演奏できるよう、使いやすさについても考え抜きました。小さな子でも一音一音うまく叩けるように、鍵盤の幅を広めに設計したのです。

こうして〈おさかなシロフォン〉は誕生し、30年以上にわたってたくさんの子どもたちの音遊びを叶えてきました。子どもたちは本格的な音を奏でる愛らしい相棒と一緒に成長します。そしていつかこのあそびの道具から卒業することになるでしょう。でもその正確で美しい音色と〈おさかなシロフォン〉で遊んだうれしく楽しい体験がずっと子どもたちのなかに留まり、子どもたちの音への興味を広げるきっかけとなることを、わたしたちは願っています。

あそび道具のおはなし
このページの先頭へ