あそび道具のおはなし

03

多彩な形と色にときめきながら
「やってみたい」を叶えてほしい
〈シェープス&カラーズ〉

ボーネルンドと各国のメーカーで協同開発している〈ファン・ラーニング〉は、世界各地の幼稚園や学校で使われている本格的な教育遊具を、日本の家庭でも使いやすい内容にしたシリーズです。
フランスからやってきたのが、この〈シェープス&カラーズ〉。つくっているナターン社は、教科書出版社として1881年に創業、のちにフランスで初めて絵柄や図表入りの教科書を導入し、「苦しくなく、読める・学べる」教材を実現したメーカーです。現在では、目と手を使った体験を通して学びに繋がる道具の開発も行っており、学ぶ子どもたちの目線で作られた教材や遊具は、フランスの多くの教育現場で使われています。

〈シェープス&カラーズ〉という名の通り、このあそび道具の魅力は、多様な形と多彩な色です。箱を開けると、そこには「わあっ!」と驚くほどたくさんのビーズが入っています。ビーズの形は7種類、それぞれ10ものカラーバリエーションがあるのです。10色がつくりだすグラデーションには、芸術の国であるフランスらしい美意識が感じられます。そして形は、一口に「これは○○の形」と言い切れない、自由で楽しいものばかりです。

子どもたちはこれらを見て、「これは何の形だろう?」「この色とこの色は似ているね」と興味を抱き、「触ってみたい」と思うでしょう。そして実際に手にとって観察を深め、「あ、これとこれは同じ形だね」「これとこれは似ているけど違う色だね」と発見していきます。

セットされている問題カードには、バーに並べるビーズの順番が指示されているので、そのとおりに並べていくことで、多い・少ないという数を把握したり、順序を理解したりします。バーは2つあるので、親子で一緒に挑戦したり、お友だちと遊んだりするのも楽しいでしょう。好きな色や形のビーズを選んで、自分だけの分類法を創造する子がいるかもしれません。そうやって、〈シェープス&カラーズ〉のあそびは、どんどん広がっていきます。子どもたちは、観察し、見分け、教え、並べるあそびを通して、論理的に考える力を育みます。あるいは繊細な美意識が子どものなかに芽生えるかもしれません。

〈シェープス&カラーズ〉は、教育の現場からやってきたものではありますが、わたしたちはあくまでもあそび道具であると考えています。そして、自ら興味を抱いて触れ、夢中になって遊ぶことこそが、究極のアクティブ・ラーニングであるとも考えています。子どもたちは、遊ぶ中で疑問や課題に出合い、それを解決します。そこで体験した理解する喜びが、きっと次の疑問や課題と向き合う力になります。
〈シェープス&カラーズ〉は、子どもたちの心にワクワクを呼び起こし、「見る、触れる、遊ぶ」を通じて、感性を刺激してくれるはずです。

あそび道具のおはなし