コラム

「モンテッソーリ教育」におすすめのおもちゃは?
指先刺激で自己教育力を育む“モンテおもちゃ”をご紹介

「モンテッソーリ教育」をご存知でしょうか。トーマス・エジソン、アンネ・フランク、ビル・ゲイツ...。モンテッソーリ教育とは、欧米を中心に世界の名だたる有名人が受けてきた教育法のこと。日本でも、プロ棋士の藤井聡太さんがモンテッソーリ教育で育ったとして、彼の使っていた知育玩具と共に一躍有名になりましたね。

この記事では、モンテッソーリ教育と、モンテッソーリ教育におけるおもちゃ(教具)がどう子どもの成長に役立つのか。またその要素を含み、特長の一つとなる”子どもの主体性”を促す、ボーネルンドのあそび道具もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

モンテッソーリ教育とは?

まず、「モンテッソーリ教育」の成り立ちや概要について簡単に解説します。

モンテッソーリ教育とは、イタリアの医師マリア・モンテッソーリが考案した教育法です。きっかけは、知的障がいがある子どもが床に落ちたパンくずで遊ぶ姿を観察したこと。子どもが、指先の感覚的な刺激を求めていることに気付いたのでした。

その事実から、指先を動かすおもちゃを与えることで感覚を刺激できると証明したモンテッソーリ。「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という考えのもと、子どもたちの「自己教育力」を育む感覚教育法を確立しました。

日本のモンテッソーリ教育は、従来の義務教育との兼ね合いから、主に0歳から6歳までの幼児教育の中で取り入れられていることがほとんどです。この自己教育力によって成長した子どもは、積極的に自己表現を行い、誰に教わることなく歩けるようになったり、言語力や日常生活で必要な技術を身につけたりと、自主性や自発性を発揮します。

モンテッソーリ教育におけるおもちゃ(教具)

まずは、モンテッソーリ教育の発達段階に合わせた5つの教育分野を簡単にご紹介します。

モンテッソーリ教育の5分野

日常生活の練習

大人の行動を真似する「模倣期」と「運動の敏感期」を利用して、運動器官やその機能を発達させ、自分の意志どおりに体をコントロールする力を身につけていきます。

感覚教育

乳幼児期に最も発達。3歳から6歳の時期に起こる五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)の発達期である「感覚の敏感期」を利用し豊かな感覚体験から観察・識別といった知的活動の素地をつくります。

言語教育

「言語の敏感期」で子どもの言語能力獲得に合わせ、言語を話す、読む、書くという動作を習得します。語彙が豊かになり、文法や文章構成力の獲得をしていきます。

算数教育

「数の敏感期」で0から10までの数、数字、「多い・少ない」の量に関する抽象的な概念について、体験をくり返し、体系化や可視化しながら理解していきます。

文化教育

先の言語と算数以外の、幅広い能力を育みます。なぜ?という知的好奇心を応援し、身近な世界や生き物など社会や理科をはじめ、道徳や音楽、体育、美術などさまざまな分野に興味を広げていきます。

モンテッソーリ教育でおもちゃ(教具)が重要なワケ

モンテッソーリ教育においては、子どもの発達段階と教育分野、目的に応じてさまざまなおもちゃ(教具)を使用します。

行動するのはあくまで子どもたち。モンテッソーリ教育の基本の考え、「Help me do it myself」(私ひとりでできるようになるのを手伝って)に基づいて、大人は子どもを観察し、発達段階に合わせたおもちゃ(教具)や環境を整えることが大切です。

つまり、この教育法においておもちゃ(教具)は、子どもたちが自己成長を促進し、自分のちからで問題を解決するための能力を身につけるのに大きな役割を果たしているのです。

ボーネルンドのあそび道具とモンテッソーリ教育

ボーネルンドでは1981年の設立以来、世界20カ国、100社の遊具・家具メーカーやブランドの優れたあそび道具や教育遊具を厳選しお届けしています。遊具の販売だけでなく、あそび場運営や環境づくり、あそびの重要性を伝え子どもの成長に寄与する人材育成、情報発信、研究者とのパートナーシップも積極的に行っています。

モンテッソーリ教育における、発達段階別や子どもの自ら成長したいという気持ちに沿うあそび道具選び、問題解決をするための能力を育てるあそび体験は、子どもたちの未来の生きる力や土台につながります。

ここでは、「モンテッソーリの5分野」のエッセンスを体験できる、ボーネルンドが選んだあそび道具をピックアップしてご紹介します。日常の親子の時間に手軽に取り入れやすいので、ぜひご参考にしてください。

日常生活の練習

はじめての"知育"体験「ルーピング フリズル」

中心に螺旋状のワイヤーがあり自然に両手遊びを促し、奥行きの距離感をあそびを通して体験できます。目で見たとおりに動かすという一連の動きは、視覚と指の動きを統合させ、手先を器用に使える巧緻性を高めます。土台にワイヤーがしっかりと固定されているので、なんでも口に入れてしまう頃でも、ビーズの紛失や誤飲の心配がなく安心して遊べます。ワイヤーは大人の力で引っ張っても押しても変形しにくい強度を持っています。

指先でつまむあそび ファンラーニング ひもとおし「どうぶつのパレード」

握りやすく、大きな穴のあいた動物のひもとおし。自然と両手を使い、指先をコントロールする力を育みます。動物ごとに穴の長さが異なるので、ひもを通す難易度はそれぞれです。手のひらで握る時期から、指先でつまむことが上手になる時期におすすめです。

手芸の基礎と指の使い方が学べる「手作り!ひもとおし・クラフト」

カッティングされて穴の開いたフェルトに、針を通してクラフト作品づくりが体験できます。両手の指先を動かすことで、感覚を刺激します。針はプラスティック製で、先端が丸くて安心です。

世界のおままごとのロングセラー「キッチンセンター」

25年以上ロングセラー、シンプルなつくりのキッチンセンターは、世界中の子ども部屋にあうようにとデザインされました。ごっこ遊びのはじまりは成長のシグナルです。遊びながらお料理やお片付けなど、生活の疑似体験を通して日常生活への生活習慣を育みます。子どもの成長には欠かせない、長く遊べるボーネルンドの代表的なあそび道具です。

お買い物リストでマッチングゲーム「ショッピングリスト」

裏返した品物カードで神経衰弱をしながら、手持ちのショッピングリストと同じ品物を探すあそびが楽しめます。楽しく遊びながら、ショッピングリストに書かれた英単語を自然に覚えていきます。品物カードを使ってごっこ遊びをしたり、ショッピングリストなしで料理のメニューを考えながらカートに品物を選んで入れるあそびもおすすめです。

感覚教育

赤・青・黄色の三原色と形を学ぶ「かたち合わせブロック」

丸・三角・四角という基本の形や、赤・青・黄色の三原色に親しむブロック遊びです。色や形を認識したら、次は長さや高さを観察。さまざまな分類わけを実践してみることで、抽象的な形・立体・大きさ・順序を理解していきます。

見本と同じ状態を探す「ビルディング・シェープ」

丸と四角のシンプルな木製ブロックを使って、平面から立体、順番の理解を促進します。おもちゃには「見本ブック」がついていて、形や順番、色が同じ組み合わせになるにはどうしたらいいか、自分で探究していきます。

木製リングで数と量を知る「リング・タワー」

赤・青・黄色の3色の木製リングを棒に通すことで、多い・少ない、高い・低い、増える・減るといった数と量の変化に親しみます。数字を学ぶ前段階のおもちゃで、10までの少ない数の比較から柔軟に理解を深めます。

算数教育

ストーリーの中で数を学ぶ「カウンティング・アップル」

りんごの木を例に足し算や引き算、数の大小を理解することができる、ヨーロッパで伝統的な教育遊具です。木が描かれたボードには10個の穴が開いていて、赤りんごのペグ、青りんごのペグを指しながら、「10」を成り立たせる組み合わせを理解します。

数字に興味が出てきた頃に「ピエロのびっくりはかり」

「数字の大小」「重い・軽い」「足し算・引き算」を自分の手を使って楽しく納得して学べるあそび道具です。てんびんの原理を応用した1から10までの数字の重りを使ったはかりで、同じ数字が2枚ずつ入り、数字の1は1g、2は2g、10は10gと、数の大きさが重さに比例しています。ピエロの手は、大きい方の数字に傾き「大きい」の認識につながります。右手と左手の数字の合計が同じだとつり合い、ネクタイの?マークが真ん中にぴったりと合い答え合わせができます。

遊びながら5までの数字を理解 「フィンガーカード 5まで数えよう」

就学前の子どもが繰り返し楽しく遊ぶことで「数える・増える・減るなどの数の概念」を認識するために開発されたあそび道具です。子どもが一人でも答え合わせができるデザインで、自分のペースで問題に挑戦できます。

文化教育

地球儀「プラネットボール 動物たちの大陸」

世界各国に生息する272種類もの動物が描かれた地球儀。動物に興味を持つことで、国の概念や国境がまだわからない子どもでも、世界地図に親しみやすくなります。ボールとして使ったり、時にはじっと見つめたりしながら、地球儀を身近に感じる環境を提供します。

はじめての音遊びは「本物」の音色で「パレットシロフォン」

子どもがはじめて触れる音の大切さを重視し、作り上げたオリジナルのシロフォン。赤ちゃんの頃から良質な音に触れることによって、感性が豊かに育まれます。はじめて出合う楽器は、簡単に使え、音の狂いが少ない正確な「音」を選んでほしい。そんな願いを込めて、ボーネルンドが細部にまでこだわり、独自に開発した「本物」の音を奏でるオリジナルの木琴です。

リズム楽器とおはなしの世界へ「もりのおとあそび」

小さな子どもが興味を持ちやすい、動物の形をしたリズム楽器のセットです。 音遊びには、元気を出す力や心を落ち着かせる効果、動きの発達を促し、仲間との一体感を生む楽しさがあります。自分でやってみたいという自発性が出てくる2歳頃のお子さまにぴったりです。

まとめ

「赤ちゃんがいたずらしている」「散らかしている」「やらないでほしいことをやる」と、大人の目線から見たら避けたいことでも、赤ちゃんにとってはすべて探求であり、貴重な体験であることをモンテッソーリ教育が教えてくれます。子どもが本来生まれながらにもつ知的好奇心を応援し存分に楽しめるような、大人がぴったりのあそび道具を選んであげたいものです。生き生きと夢中になって遊ぶ子どもの姿から成長を実感し、周りの大人も幸せを感じます。

この記事では、モンテッソーリ教育とおもちゃ(教具)の関係性、そしてボーネルンドで取り扱っているあそび道具についてご紹介してきました。まずは子どもの様子を観察してみてください。どんなあそび・行動をしたがっているのかを見つめ、環境を整えてあげることが、モンテッソーリ教育の第一歩。ボーネルンドも、子どもがのびのび遊べる環境を幅広くサポートしていきます。