SIDE STORIES

知ってる? #ボーネルンドのあそび道具

30周年を迎えた
木製玩具の老舗ブランド
父と娘それぞれの
作風にも注目を

マーケティング担当

ポーランド生まれの木製玩具・Bajo(バヨ)。昨年30周年のアニバーサリーイヤーを迎えました。ブランド名は、創業者であるボイテック・バヨールさんの名前から付けられています。木製らしい温かみもありつつ、洗練されたシンプルなデザインに、ボーネルンド社内でもファンが多いブランドです。以前、ポーランドにある工房を訪ねる機会に恵まれたのですが、自然が豊かな街にあり、穏やかでアットホームな雰囲気でした。おもちゃづくりをはじめたきっかけも、こんな風に話してくださいました。

─(ボイテックさん)
ポーランドは歴史的にも侵略されていた期間が長く、1989年に共産党政権が倒れるまで、自分の考えを表現する自由がありませんでした。こうした背景から、自国文化を表現することや、表現活動そのものに対する国民の意識が低いと感じていました。表現する素晴らしさをもっと人々に知ってもらいたい。そんな思いから、彫刻や空間のデザインを通して、アートに触れるきっかけになればと創作活動をスタートしました。しばらくして知人から、玩具の製作を頼まれ、これをきっかけに本格的におもちゃづくりをはじめました。おもちゃは、社会的な権威や策略に左右されない、自由に表現を楽しめる作品だと思っています。

30年経ったいま、ボイテックさんの想いは娘のアンナさんに受け継がれています。美しいデザインと高品質なものづくりへの姿勢はそのままに、現在の社会課題(SDGsなど)もテーマに。表現に対する想いや信念は共通でも、それぞれの“らしさ”は、その作品にはっきりと表れているようです。ボイテックさんは、自然のぬくもりを子どもたちにかんじてもらえるようにと、必ず商品の一か所を無塗装のままにしています。一方、アンナさんは今の若い世代も魅了する、アーティスティックな色づかいが特長的。

お店にお越しの際にはぜひ、「どちらがデザインしたのかな?」とじっくり手に取って、眺めてみてください。