デンマーク生まれのキッチンセンターは、はじめての「ごっこ遊び」に欠かせないあそび道具として、世界中で愛されています。
からだが成長し、言葉もわかりはじめる1〜2歳ごろは、社会性も芽生えるころ。「自分もまねしたい」「同じことをしたい」という憧れから、自然におままごと遊びをはじめます。
キッチンセンターはそんな子どもの本能を刺激する、成長に必要なあそび道具のロングセラー。
発売以来ずっと変わらないデザインには、子どもの気持ちを考え抜いた、独自の工夫があります。
「よく遊ぶなあ」と感心するほど没頭する秘密は、計算された等身大のサイズ。単に子ども向けサイズでなく、大人がお鍋やフライパンを持ったときのサイズ感がそのまま再現されています。子どもが使いやすく、大人と同じようにお料理をしている臨場感もあるため、想像の世界がぐんぐん広がり、あそびにのめり込みます。
キッチンセンターの大きな魅力の一つは、そのカラフルな色づかい。やりたい! と思った瞬間にパッとつかめるように、機能部分にだけ色がついています。大人のキッチンのように単色にするのではなく、子どもの直感にうったえる計算された配色になっています。
いざ大人をまねようと思っても、経験のない子どもには何がどこにあるか、とっさにはわかりません。たとえば、大人の身のまわりにある、ペンのキャップやシャツのボタン、時計の秒針などは、機能部分に色があることで目を引き、迷わず手に取れる効果があります。同じように、取っ手やダイヤルの色で子どももスムーズに遊べます。
この時期は、手の力加減がまだむずかしい頃なので、あそび道具も大人が思う以上に力を入れて使っています。そのため曲げても折れにくく、安全で長く使える丈夫な素材であることはとても大切。ごっこ遊びをしていても、まだ本当に口に入れてしまう頃でもあるので、汚れたらすぐに水洗いできる衛生的な点も魅力です。
北欧5ヶ国では、高い品質と環境基準をクリアした製品にエコラベル・スワンマーク(ノルディック・エコレーベル)が表示されています。現在、スワンマークを取得するプラスチック玩具メーカーはダントーイ社が唯一。その品質の高さから、デンマークの全幼稚園で導入、輸出先の世界45ヶ国でも90%以上は教育市場(小学校・幼稚園)に販売されています。
空想の世界と現実の世界を行ったり来たりするこの頃の子どもにとって、「あそびの続きをいつでもはじめられる」のはとてもうれしいこと。常に子どもに注意しなければならない大人にとっても、軽くて持ち運びがしやすいので、手軽にリビングやキッチンに移動させ、家事をしながら子どもの様子を見守れます。
食事をつくる大人の姿も、子どもにとっては楽しいあそびにうつっています。家事もシェアの時代。シェフは男性も多く、料理は男女どちらにとっても楽しい時間。女の子だけでなく、男の子もお料理ごっこに興味を持つのは自然なことなのです。
発売当初からそのままのデザインで色褪せず、世界中の子どもを魅了し続けているキッチンセンター。デンマーク国旗の色である赤と白を基調としたデザインは、どんなインテリアの部屋にも自然になじみます。
家族で過ごす場所にあそび道具を置くことで、子どもの居場所づくりにもなります。
キッチンセンターを購入された母娘に、当時のお話をうかがいました!
環境先進国デンマーク発 エシカルなものづくり
廃棄されるものや海で回収された漁具(網・ロ ープ・浮きなど)から製造された「リサイクルプラスチック」素材。2050年には、海を漂うゴミの量が泳ぐ魚の量を超え、水質汚染・マイクロプラスチック・海洋生物への影響など、様々な問題に関わるといわれています。回収されるネットは青や緑のものが多く、カラーリングは海や砂、サンゴをイメージしています。
従来の原油を原材料としたプラスチックとは異なり、農薬不使用で育てられたサトウキビを使って製造された「バイオプラスチック」素材。プラスチック製のストローやビニール袋の使用が世界中で問題となるなか、ヨーロッパでは子どもが使用する遊具にも、エコロジーとエシカルの考え方が広がっています。
ごっこ遊びは、子どもたちが実生活で体験したことのアウトプットです。真似や言葉のやりとりが楽しくなることで、アウトプットが増え、想像力やコミュケーション力の成長につながります。
キッチンセンターの故郷デンマーク。世界幸福度ランキングで常に上位のデンマークでは、寒さが厳しく日照時間も短いため、多くの時間を室内で家族との会話や食事、ゲームをしてゆったり過ごして“小さな幸せ”を分かち合いきずなを深めます。リラックスできる家族とゆったり夕食を囲んで過ごす=hygge(ヒュッゲ)というデンマークの文化や暮らしを表す言葉もあり、デンマーク人がアイデンティティとして大事にしている概念です。