MAGAZINEあそびのもり


#子育て#親子ニューロ

お話を
聞いた方
林愛理さん
日本脳波トレーニング協会理事長、株式会社NFBスタジオ横浜代表。大学にて児童心理学を学び、在学中から国内外にてニューロフィードバック、定量脳波解析の臨床、研究を行う。2015年NFBスタジオ横浜を設立。認知症予防やアスリートのサポートを行う。現在、ボーネルンドと共に、ニューロパーソナリティとあそびについての実証研究を進めている。
権上美季さん
臨床心理士/公認心理師。NFBスタジオ横浜では、心理学と脳波解析を融合させた「心と脳の両面からのアプローチ」に10年以上従事し、子どもから大人まで、一人ひとりの心に寄り添う伴走者として活動中。
「親子ニューロパーソナリティ入門」、今回は「あそび」についての親子のすれ違いをニューロの視点から解決するケーススタディをお届けします。
今回は、家族やお友達と遊んでいるときのお子さんについてのお悩みです。
「自分が遊んでいたおもちゃを他の子に取られても、特に怒ったり泣いたりすることもせず、何もなかったように違うあそびを始めたり、家では何かにつけて口ぐせのように“ママは?(どう思う)”と聞いてくる息子。優しい子だなと感じる反面、人に合わせてばかりのようにも見えて、自己主張が弱いことが気になります」(5歳男の子の母)
こちらのお子さんは、一見関心がないように見えて実は大人同士の話をよく聞いていたり、保育園で遊んでいても先生が何か指示を出すとすぐにそちらへ注意を向けているとのこと。耳から入る情報の処理が得意な「側頭葉型」タイプだと推察されます。言語機能にすぐれ、相手の心を推しはかることにも長けています。他人と関わることに自身が楽しさを感じているので、コミュニケーション能力もおのずと伸びていきます。
ママはどう思う?と絶えず聞いてくるのも、ママがどうしたいか、を最優先事項と考えているから。ママのやりたいことが、イコール、自分のやりたいことなのです。いずれそういった時期(ママが一番!)から卒業していくことを思うと、今はそのままでも良いのではと個人的には感じますが、もしも決断力が気になるなら、「〇〇と△△で迷っているんだけど、どっちがいい?」など、選択肢を提示してあげてください。悩んでいるママのために、張り切って選んでくれるでしょう。
お友達に合わせているように見えても、本人はそれを楽しいと感じています。それも立派な自己主張のかたちなのです。「おもちゃを貸してあげたからお友達が喜んでいたね」「いつもママの気持ちを考えてくれてありがとう」と、お子さんの特性をたくさん褒めてあげてください。
子育てをしていると、あれもこれも、と子どもに対して欲張りになってしまうのは、どんな親御さんにも見られること。まずは子どもの特性や個性を認めて、「できないこと」ではなく、「子ども自身が楽しくやれていること」に目をむけたいですね。