ボーネルンドを代表するロングセラー「オリジナル積み木」は、30年以上にわたり多くの子どもたちに親しまれてきました。正確なサイズ、なめらかな肌触り、そして手にすっとなじむ適度な重み。その一つひとつに、職人の強いこだわりと想いが宿っています。
この積み木は一体どんな場所で、どのように作られているのでしょうか。そのルーツをたどるべく、ショップ店長を代表して、岐阜県郡上八幡にある工房「ひばり楽器」を訪ねてきました。
工房がたたずむ郡上八幡は、清らかな水と歴史ある街並みが美しい風情あふれる町です。かつてはお盆などを作る木地師(きじし)が多く暮らし、ろくろ加工や木炭づくりが盛んに行われてきました。長良川の恵みを受けた藍染めや、近年は食品サンプルのトップシェアを誇るなど、職人文化が今なお深く息づいています。
工房に着くと、この道20年になるご担当者様が笑顔で出迎えてくださいました。実際の現場を見学して一番驚いたのは、工程のほとんどが職人による手作業であること!完成までにかかる時間は、なんと約3週間に及びます。
なかでも強く胸を打たれたのは、貴重な木材を大切に使い切る工夫です。自然由来の色味があるブナ材のうち、色味が白いものは「白木の積み木」へ、色の濃いものは傷や割れがないかを見極めて「カラー積み木」へと丁寧に選別されていきます。自然の恵みを無駄にしない姿勢に、職人の木への深い愛を感じずにはいられませんでした。
ひばり楽器のこだわりは、ものづくりだけに留まりません。普段から「自由に創作すること」を面白がる風土が根付いており、試作品ができればご自身のお子様や近所の子どもたちに遊んでもらい、その反応を見ながら改良を重ねているそうです。現在、一部店舗の特別なイベントでお配りしている「音が鳴る積み木」も、かつてご自身のお子様のために作られたものがきっかけで商品化へとつながりました。
さらに、検品ではじかれた端材は近所の幼稚園などに無料で配布されています。「子どもたちがこの廃材から何を作り出すのか、その自由な発想を見るのが何より刺激になるんです」と語る笑顔がとても印象的でした。
何でも手軽に手に入り、消費されていく現代。だからこそ、ひとつの積み木にこれほどの時間と手間、そして愛情が注がれている現場を目の当たりにした経験は、私にとってかけがえのない宝物となりました。職人たちへの誇りとリスペクトを胸に、この温かい物語ごと、店頭でご家族や子どもたちへ届けていきたいと思います。